マッサージは、ホームケアであり、スキンシップでもあります。飼い主が、犬に、「何かをしてあげたい」という気持ちを満たすことができるコミュニケーションツールでもあります。
病気の早期発見にもつながります。我が家の12歳の犬は、前肢が骨膜炎だったことがあるのですが、まだ見つけるのが困難な時期に発見することができたんです。足をさすっているときの、むくみぐあいやはりぐあいでわかるんです。毎日さわっていると。
おなかにも乳腺の腫れがあり、片側全部切除しました。卵巣も切除。避妊もしましたので、ホルモンは出なくなりました。
これらもマッサージで発見できたからなんです。 背中に腫れがあったときも、動物病院に連れて行ってもなんともないと言われ、2回は帰されました。
3回目でようやくヘルニアの種を見つけられたんです。悪化する前に見つけることができ、階段の上り下りをしないなどの対策ができるようになりました。
犬は、獣医の前では、痛みを隠します。マッサージ中に、足の付け根あたりをふれて、動かしたときに、「キャイン」と泣き出したときがあり、股関節形成不全の軽いものにかかっていることがわかりました。症状の重さにかかわらず、理由がわかればとりあえず安心できます。
ですから、マッサージは元気な子にこそしてあげるべきです。犬は痛みを隠すことが思考回路に組み込まれています。瞬間的な痛みには鳴いたりしますが、内臓疾患など、慢性的な痛みは我慢してしまうんです。
もし獣医が「大丈夫、問題ないです」と診断したとしても、飼い主が毎日マッサージをしていれば、犬の体の違和感に気づくものです。手がおぼえているのです。
石けんは、6種類程扱っています。おもにトリマーさんが買ってくださっています。カスタマイズもできるので、重宝していただいています。四季や犬種にあうものなど、さまざまな石けんを作っています。
また、石けんの作り方のセミナーも行っています。かなりアカデミックなもので、石けんとは何か、などの解説から始まり、材料の説明も行います。
多くの消費者は「ラベンダー入り」などというキャッチコピーだけで石けんを買ってしまいがちです。そういったときに、材料を見抜くことができるように、疑問を投げかけたりもしています。
セミナーは、作り方、カスタマイズ用オイルの特徴など、しっかり勉強ができる講習会です。カルチャースクールのような気軽さはありません。お越しになる方は悩んでいる方が多いので、いたって真面目な会です。「きれいな石けんを作って楽しむ」というものではないんです。
連載 『犬と暮らす女性のために』
岸本 芭瑠美(きしもと はるみ)
メディカルアロマテラピスト・メディカルアロマ講師
日本メディカルアロマテラピー協会認定講師、動物臨床獣医部会認定ドッグアロマテラピスト、JMAACV認定手作り石鹸講師、日本アロマ環境協会認定インストラクター
愛玩動物飼養管理士常任理事、ペットマッサージ協会会員
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